はじめに
Gitは、バージョン管理システムとして多くの開発現場で使われているツールです。チームでの開発や個人プロジェクトでも、コードの変更履歴を管理し、プロジェクトの安定性を保つために欠かせないツールです。
この記事では、よく使うGitコマンドを初心者向けにわかりやすく解説します。これらのコマンドを覚えておくと、日々の開発作業が効率化され、チーム内での協力もスムーズになります。
よく使うGitコマンド集
ステージエリアにファイルを追加
作業したファイルをステージ(インデックス)に追加します。これにより、次にコミットするファイルを指定できます。
git add ファイルパス
例
git add index.html
コミット
コミットは、変更内容を保存する操作です。変更内容をステージに追加後、以下のコマンドでコミットします。
git commit -m "コミットコメント"
例
git commit -m "新しい機能を追加"
リモートリポジトリにプッシュ
ローカルリポジトリでコミットした内容を、リモートリポジトリに反映(アップロード)するために使います。
git push
例
git push origin main
リモートリポジトリの内容をプル
リモートリポジトリの最新の変更をローカルリポジトリに反映します。チームメンバーが更新した内容を自分のローカル環境に取り込むために使います。
git pull
例
git pull origin main
リモートリポジトリから最新の履歴を取得
git fetch
は、リモートリポジトリの最新の変更履歴を取得します。ただし、取得しただけでローカルブランチに変更を反映するわけではありません。pull
と違って履歴を確認してから反映することができます。
git fetch
ブランチのマージ
他のブランチで行った作業を現在のブランチに統合します。develop
ブランチで作業した内容をmain
ブランチに反映させたいときなどに使います。
git merge ブランチ名
例
git merge feature-branch
マージの取り消し
マージに問題が発生した場合、マージを中止するコマンドです。
git merge --abort
コミット履歴の閲覧
現在のブランチのコミット履歴を確認できます。過去に行った変更内容やコミットメッセージを確認する際に便利です。
git log
例
git log --oneline
コミットの取り消し(ログごと消す)
コミットを取り消し、ファイルの状態を指定した過去の状態に戻します。--hard
オプションをつけると、ステージングされている内容や未コミットの変更も破棄します。
git reset --hard コミットのハッシュ値
例
# 特定コミットの取り消し
git reset --hard abc1234
# 最新コミットの取り消し
git reset --hard HEAD^
コミットの取り消し(ログを残す)
revert
コマンドは、特定のコミットを取り消す処理を行いますが、コミットログは残ります。以前の変更を部分的に元に戻す際に役立ちます。
git revert コミットのハッシュ値
現在のブランチを確認
現在の作業ブランチを確認するコマンドです。また、ローカルリポジトリに存在するすべてのブランチの一覧も表示されます。
git branch
ブランチの移動
現在作業しているブランチから他のブランチに移動する場合に使います。git switch
またはgit checkout
でブランチを移動できます。
git switch ブランチ名
git checkout ブランチ名
例
git switch develop
git checkout develop
用途別Gitコマンドの使い方
開発ブランチにMainブランチの最新内容を取り込む
通常、Main(またはMaster)ブランチには、プロジェクトの安定版が含まれています。新機能の開発を行っている開発ブランチに、Mainブランチの最新内容を取り込む手順を解説します。
Mainブランチにチェックアウト
まずは、Mainブランチに移動します。
git switch main
リモートリポジトリのMainブランチをプル
次に、リモートリポジトリの最新の内容をローカルリポジトリに取り込みます。
git pull origin main
開発ブランチに移動
次に、開発ブランチに移動します。
git switch develop
Mainブランチの内容を開発ブランチにマージ
最後に、Mainブランチの最新の内容を開発ブランチにマージします。
git merge origin main -m "Mainの内容をマージ"
これで、Mainブランチの最新の変更が開発ブランチに取り込まれました。
Gitコマンドのポイント
ステージングとコミットの関係
Gitは、ファイルをステージエリアに追加し、そこで指定した内容をコミットします。この2段階の操作により、特定のファイルだけをコミットしたり、不要な変更を含めないようにすることができます。
- ステージング(
git add
):変更をコミットする準備をする。 - コミット(
git commit
):ステージエリアに追加された変更を保存する。
ローカルとリモートの違い
- ローカルリポジトリ:自分のPC上にあるリポジトリ。
git commit
を実行すると、ローカルリポジトリに履歴が保存される。 - リモートリポジトリ:GitHubなどのサーバー上にあるリポジトリ。
git push
でローカルの変更をリモートリポジトリに反映する。
コミットの取り消しと巻き戻し
Gitには、コミットを取り消すためのコマンドがいくつかあります。状況に応じて、git reset
やgit revert
を使い分けることが重要です。
git reset
:指定したコミットまで履歴を巻き戻す。変更内容も消すことができる(--hard
オプションを使用した場合)。git revert
:指定したコミットの変更を取り消すが、履歴は残る。履歴の整合性を保ちながら変更を無効にしたい場合に便利。
あとがき
今回紹介したコマンドは、日常的によく使うGitの基本操作です。これらを習得すれば、日々の開発作業がスムーズになること間違いありません。Gitは非常に強力なバージョン管理ツールですが、コマンドの使い方に慣れると、より高度な機能や便利なツールも活用できるようになります。
このリストは随時更新していきますので、参考にしていただければと思います。
今回の内容が参考になったら幸いです!
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