Vue.js入門:特徴から環境構築まで完全ガイド

その他

Vue.js の概要

Vue.js(ビュージェイエス)は、JavaScript を使ったフロントエンドフレームワークの一つです。Web アプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を構築するために開発され、軽量で柔軟性が高いのが特徴です。

Vue.js は主に次のような用途で使われます。

  • シングルページアプリケーション(SPA)の開発
  • 既存のプロジェクトに動的な UI を追加
  • 小規模なインタラクティブな UI の構築

他のフレームワーク(React, Angular)との比較

フレームワーク特徴
Vue.jsシンプルで習得しやすく、柔軟な設計
Reactコンポーネント指向で、仮想DOMを活用
Angularフルスタックで、エンタープライズ向け

Vue.js は、React のようにコンポーネントベースでありながら、Angular のようにテンプレートシンタックスを備えているため、初心者にも学びやすい設計になっています。

Vue.js の特徴と利点

仮想DOMとは?

Vue.js では「仮想DOM(Virtual DOM)」を採用しています。仮想DOMとは、実際の DOM を操作するのではなく、仮想的なコピーを作成し、変更があった部分だけを効率的に更新する仕組みです。これにより、パフォーマンスが向上し、無駄なレンダリングが減ります。

コンポーネント指向の開発

Vue.js では、UI を「コンポーネント」と呼ばれる小さな部品に分割して管理できます。これにより、

  • コードの再利用性が向上
  • 保守性が高まり、大規模開発にも適用しやすい

例えば、ボタンやナビゲーションバーなどの UI 部品をコンポーネント化することで、コードの整理がしやすくなります。

データバインディングとは?

Vue.js では、v-model というディレクティブを使うことで、HTML の入力要素と JavaScript のデータを簡単に結びつけることができます。これを「双方向データバインディング」と呼びます。

例:

HTML
<div id="app">
  <input v-model="message" placeholder="入力してください">
  <p>入力内容: {{ message }}</p>
</div>

<script>
  new Vue({
    el: '#app',
    data: {
      message: ''
    }
  });
</script>

このコードでは、テキストボックスに入力した内容がリアルタイムで message に反映され、<p> に表示されます。

Vue.js の主な活用シーン

小規模なインタラクティブ UI から大規模アプリケーションまで

Vue.js は、シンプルな Web アプリから大規模な SPA まで対応可能です。例えば、

  • 小規模なブログのコメント機能
  • フォームのリアルタイムバリデーション
  • ダッシュボードや管理画面

既存のプロジェクトに Vue.js を導入する方法

Vue.js は HTML ファイルに直接組み込むこともできるため、すでにある Web サイトに動的な機能を追加しやすいです。

例:

HTML
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue@2.6.14/dist/vue.js"></script>

このスクリプトを HTML に追加するだけで、Vue.js を利用できます。

Vue.js の学習を始めるために

Vue.js の公式ドキュメントや学習リソース

初心者向けのリソースとして、以下のサイトを参考にするとよいでしょう。

簡単なコード例

以下のコードは、Vue.js の {{ }} を使ったデータバインディングの基本例です。

HTML
<div id="app">
  <h1>{{ message }}</h1>
</div>

<script>
  new Vue({
    el: '#app',
    data: {
      message: 'こんにちは、Vue.js!'
    }
  });
</script>

このコードを実行すると、<h1>こんにちは、Vue.js! と表示されます。

開発環境構築ガイド

Vue.js の利用方法と選択肢

Vue.js を利用するには、大きく分けて 2 つの方法があります。

CDN 版と Vue CLI の違い

方法特徴
CDN 版すぐに試せるが、本格的な開発には向かない
Vue CLI本格的な開発環境が整うが、セットアップが必要

どちらの方法を選ぶべきか?

  • CDN 版 → 簡単なテストや小規模な UI の導入
  • Vue CLI → 本格的なアプリ開発や、プロジェクトとしての管理が必要な場合

Vue.js を CDN で使う方法

最も簡単な方法は、Vue.js を CDN で読み込むことです。

HTML ファイルに Vue.js を組み込む

以下の HTML ファイルを作成すると、すぐに Vue.js を試せます。

HTML
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <title>Vue.js CDN 版</title>
    <script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue@2.6.14"></script>
</head>
<body>
    <div id="app">
        <p>{{ message }}</p>
    </div>

    <script>
        new Vue({
            el: '#app',
            data: {
                message: 'こんにちは、Vue.js!'
            }
        });
    </script>
</body>
</html>

コンソールで Vue インスタンスを操作する

Chrome の開発者ツール(F12 キー)を開き、Console で app.message = '新しいメッセージ' を入力すると、ブラウザの表示も更新されます。

Vue CLI を使った開発環境のセットアップ

Vue CLI を使うことで、より高度な開発環境を構築できます。

Vue CLI のインストール手順

  1. Node.js のインストール
    • Node.js 公式サイト から最新版をダウンロードしてインストール
    • インストール後、以下のコマンドで確認
      node -v
      npm -v
  2. Vue CLI のインストール
    npm install -g @vue/cli
  3. プロジェクトの作成
    vue create my-project
    • default (babel, eslint) を選択
  4. ローカル開発サーバーの起動
    cd my-project
    npm run serve

ブラウザで http://localhost:8080 を開くと Vue.js のアプリが動作します。

Vue CLI で作成されるファイル・フォルダ構成

ファイル・フォルダ説明
src/アプリのソースコードが入るフォルダ
public/静的ファイル(HTML など)
package.jsonプロジェクトの設定ファイル

開発を便利にするツール

Vue DevTools

Vue.js の開発を効率化する Chrome 拡張機能です。

インストール方法

Vue インスタンスのデータを確認する方法

  • Vue DevTools を開くと、現在の Vue インスタンスのデータをリアルタイムで確認できます。

VSCode のおすすめ拡張機能

  • Vetur(Vue.js のコード補完・シンタックスハイライト)
  • ESLint(コードの品質向上)

まとめ

Vue.js は、

  • 軽量で柔軟なフレームワーク
  • 学習しやすく、小規模から大規模開発まで対応可能
  • コンポーネント指向で再利用性が高い

さらにVue.js は手軽に CDN で使える一方、Vue CLI を使えば本格的な開発環境を整えられます。

  • 手軽に試すなら CDN 版
  • 本格的に開発するなら Vue CLI

まずは簡単なプロジェクトを作って、Vue.js の楽しさを体験してみましょう!

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