Spring Boot基礎:Gradleを使ったプロジェクト作成と依存関係の追加

Java

はじめに

Spring Bootは、JavaでWebアプリケーションを簡単に構築できる便利なフレームワークです。今回は、Gradleを使ってSpring Bootプロジェクトをセットアップし、必要な依存関係を追加する手順を詳しく説明していきます。この記事を通じて、Spring BootでWebアプリケーションを始めるための基礎を学んでみましょう。


GradleでSpring Bootプロジェクトを作成してみよう

Spring Bootのプロジェクト作成は、公式の「Spring Initializr」というツールを使うことでとても簡単に始められます。ここでは、Spring Initializrを使用したプロジェクト作成手順をGradleを使って解説します。

Spring Initializrとは?

Spring Initializr(スプリング・イニシャライザー)は、Spring Bootプロジェクトの雛形をオンラインで作成できる公式ツールです。このツールを使うことで、複雑な設定をせずに、必要な構成を自動生成してくれます。ブラウザから簡単にアクセスでき、初心者にとって非常に便利です。

プロジェクトを作成する手順

以下の手順に従って、Spring Initializrでプロジェクトを作成してみましょう。

Spring Initializrにアクセスする

Spring Initializr のページを開きます。

基本設定を行う

ページ上で以下の設定を行います:

  • Project: Gradle Projectを選択
  • Language: Java
  • Spring Boot: 最新の安定バージョンを選択します(例:2.7.x)。
  • Group: 「com.example」など、プロジェクトのベースとなるパッケージ名を入力します。
  • Artifact: アプリケーション名(例:myapp)を入力します。
  • Name: アプリケーションの名前(例:MyApp)
  • Package name: 「com.example.myapp」といった形で自動生成されますが、自由にカスタマイズ可能です。
  • Packaging: アプリケーションのビルド成果物の形式を指定するものです。一般的にjarを指定します
  • Java:Javaのバージョンを指定します。

必要な依存関係を追加する(Dependencies)

後で変更できますが、最初に基本的な依存関係を追加しておきましょう。

  • Spring Web: Webアプリケーションを構築するために必要なライブラリです。
  • Spring Data JPA: データベース操作を簡単に行うためのライブラリです。データの保存や取得をサポートします。

プロジェクトを生成してダウンロードする

「GENERATE」ボタンをクリックし、プロジェクトの雛形をダウンロードします。ダウンロードが完了したら、Zipファイルを解凍して、任意のディレクトリに配置します。


依存関係の追加と管理

Spring Bootプロジェクトで使用するライブラリやツールは「依存関係」と呼ばれます。Gradleを使って、必要な依存関係を追加する方法を紹介します。

依存関係とは?

依存関係とは、プロジェクトに必要な外部のライブラリやツールのことです。Spring Bootでは、プロジェクトの構成ファイル(build.gradle)に依存関係を定義しておくことで、必要なライブラリを自動でインストールし、プロジェクトで使えるようにします。

基本的な依存関係を追加してみよう

Spring Bootでは、以下の依存関係がよく使用されます。

  • Spring Web: Webアプリケーションを構築するためのライブラリです。REST APIの開発やMVCアーキテクチャを利用したWebアプリを作成するために使われます。
  • Spring Data JPA: データベースとやり取りするためのライブラリで、オブジェクト指向とデータベースを結びつける役割を果たします。

これらの依存関係をbuild.gradleファイルに追加する方法を見てみましょう。

build.gradleに依存関係を追加する

Spring Initializrで依存関係を選択した場合、build.gradleファイルにはすでに以下のようなエントリが自動で追加されています。

Bash
dependencies {
    // Spring Webの依存関係
    implementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-web'

    // Spring Data JPAの依存関係
    implementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-data-jpa'

    // 開発用の依存関係(Live Reloadなど)
    developmentOnly 'org.springframework.boot:spring-boot-devtools'

    // テスト用の依存関係
    testImplementation 'org.springframework.boot:spring-boot-starter-test'
}

依存関係の追加が反映されることを確認する

build.gradleファイルを保存し、下記コマンドを実行することでプロジェクトに追加されます。この処理が完了すると、Spring BootでWebアプリケーションやデータベースを扱う準備が整います。

Bash
./gradlew build --refresh-dependencies

最初のSpring Bootアプリケーションを起動してみる

ここまでで基本的な設定が完了したので、実際にアプリケーションを起動してみましょう。

  • メインクラスを確認する
    プロジェクトにはMyAppApplication.javaというメインクラスが自動生成されているはずです。このクラスには、SpringApplication.runメソッドが含まれており、これを実行することでSpring Bootアプリケーションが起動します。
  • アプリケーションを実行する
    メインクラスのmainメソッドを右クリックし、「Run」を選択して実行します。もしくはコマンドラインで以下のコマンドを実行してもOKです。
Bash
./gradlew bootRun

まとめ

今回は、Gradleを使ってSpring Bootの基本的なプロジェクト作成と依存関係の追加について解説しました。Spring Initializrを使えば、初心者でも簡単にプロジェクトのひな形を作成でき、build.gradleに依存関係を追加することで、Webアプリケーションやデータベースと連携した開発が可能になります。

次のステップでは、Spring Bootを使った実際の機能実装に取り組んでみましょう。ここで学んだ基礎が役立つはずです。

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